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医療秘書とは

●医療秘書とは
 日本の医療のなりたちは医師一人の医療であり、明治維新前後に西洋医学を学んだ医師が、診療所を開設し、後にこれが拡大発展し病院になりました。はじめは医師が診察し、検査を行い、調剤をし、事務処理を行い、事務管理を行っていましたが、医学の進歩と診療の発展により、多くのメディカル・スタッフが生まれました。医師の診療の補助者としてうまれたのも看護師でした。
 近年、医学・医療の進展は特にめざましく、医学の専門細分化は、病院の診療科を細分化し、高度先進医療を支える医療技術の革新と発展は、病院医療の高度化と医療機能をますます複雑化にしています。また、患者を対象とする医療の考え方も、医師・看護師が行うというところから、診療を専門的知識と技術によって、積極的にサポートする多くのメディカル・スタッフを加えた「チーム医療」へと大きく変革してきています。
 医療の近代化を背景に、医療機関のかかえる問題点も数多く、機能分化の進んだ病院の内部機構が複雑になり、さらに組織が巨大化するとともに、各職種の業務もますます専門家し多忙となってきています。また部門間のコミュニケーションも悪くなり、連携プレーも硬化しつつあることが社会から指摘されています。
 さらに、専門職種の業務量の増大に伴い、診療、看護、医療技術、医学研究などから生まれる事務的作業も増大し、これが専門的技術の行使を阻害することにもなりました。
 これらの医療機関がもつ問題点を少しでも解消するために、それぞれの業務の合理化、能率化を計ることはもちろんのこと、専門職のもつ知識や技能を効率よく発揮させるために、専門職周辺の事務的業務は、その内容を理解し、対処できる専門スタッフを育成し、これに業務を委ねることが好ましいでしょう。
 医療秘書について、日本医師会は「医療秘書は、医療の総括的責任をもつ医師の機能の一部を担い、情報の円滑化に資するなど、広くその業務を補佐する者である」と定義しています。
 また、医療秘書技能検定を実施する医療秘書教育全国協議会は、「医療秘書とは、近代的医療機関における医療の健全な運営の中で、医療・看護。医療技術の行使に関連する業務を、専門的知識と技能をもって遂行する専門職であり、いわゆる医療チームの一員として、管理者及び専門職の持つ知識や技術が効率よく発揮できるように、専門的な援助と、各部門間の連絡調整にあたり、医療の高度化に寄与する者である」と定義づけています。
 この二つの定義からみるように、いまや日本における医療秘書は、医師の補助者として事務処理を行うだけでなく、医療行為全般に関連する業務を遂行する専門職であり、また、日本の医療のなりたちのうえから、管理者および専門職に補助補佐を行い、専門分化し、硬直化した専門職種と部門間の潤滑の役目を果たす職種でもあります。
 アメリカの医療秘書は、病院のなりたち、医療制度の違いから、医師のオフィスの秘書として生まれましたが、日本の場合は医師の診療の補助者として看護師が生まれました。それから後、多くの専門職が制度化され、事務職員が事務処理にあたるようになりました。医療秘書は専門的知識と技術をもつ専門職であると同時に一部や医師の補助者として事務処理を行い、現代の医療の中でその存在なしには医療はなりたたないほど重要な位置にあります。医療秘書の知識と技能の向上は、医療の高度化を担うものなのです。